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ジャパンホートビジネス(株)

「盆栽」という日本文化を全世界に発信

出資先のプロフィール

ジャパンホートビジネス株式会社について | Macro Bonsai/Niwaki/Japan Hort Business Ltd.

国産の植木・盆栽の輸出事業を主体とする6次産業化認定事業者として2013年9月に設立。千葉県を中心に全国各地の生産者から買い上げた植木や盆栽を輸出先の検疫制度に合わせて適切に管理し、中国やEU諸国をはじめ世界各地の造園業者や小売店、個人愛好家に販売している。現在は、輸出販路を拡大するとともに、中間関与者を極力省いた流通網によって生産者の利益拡大・経営の安定化にも貢献している。

「6次産業化」を目指したきっかけ

国内園芸産業の未来を守るべく輸出サポート事業を開始

日本人には馴染みの深い植木や盆栽ですが、実は海外でもその人気は想像以上に高く、近年は日本からの輸出も増えています。そうした植木類の輸出拡大に大きく貢献しているのが、「ジャパンホートビジネス(株)」です。同社社長の寒郡(かんごおり)茂樹氏は、実家の(株)北総園芸で30年以上も園芸業に携わってきた人物です。

1990年代にアメリカの園芸見本市を視察した寒郡氏は、現地コンサルタントから「アメリカの植木を輸出したいので日本市場について教えて欲しい」との依頼を受けました。これをきっかけに貿易コンサルティング会社「NRTガーデンプロダクツ」を立ち上げ、次第に「日本からの輸出ビジネス」への関心を深めていきました。しかし、日本の園芸業界は「国内の需要を国内の生産で賄う」という閉じた世界で輸出入に詳しい人間はほとんどいませんでした。また、海外からバイヤーがやって来て、現地の最終価格に比べれば驚くほどの安値で植木や盆栽を買い叩いている状況が続いていました。「このままでは生産者の苦労が報われず、意欲が落ちるばかりで後継者も育たない」と痛感した寒郡氏は、2005年頃から自身の会社で日本の生産者の輸出業務サポートに取り組んできました。

盆栽の剪定をする職人たち

「6次産業化」の実践

「一気通貫」の新ビジネスモデルで生産者の利益を最大化

2013年にA-FIVEの取り組みを知った寒郡氏は、これに応募すべく新会社の設立準備を開始しました。そして同年9月、A-FIVEの全国第1号案件の一つとして、サブファンド「ちば農林漁業6次産業化ファンド」を経由して出資を受け、6次産業化認定事業者「ジャパンホートビジネス(株)(以下JHB)が誕生しました。

JHBで寒郡氏がめざしたのは、NRTでの輸出サポートをさらに一歩進めた事業です。それは、国内の生産者から商品を直接買い取り、海外顧客との交渉や通関手続き、現地への輸送まで一気通貫で行うという、全く新しいビジネスモデルでした。中間業者の介在をできる限り省いた流通構造をつくることで、生産農家にできる限り多くの利益を還元することが最大の狙いでした。

また、植木類の輸出では大きな問題となる「検疫」にも対応しました。例えば、EU加盟国に盆栽を輸出する場合には害虫や病原菌が侵入しないよう「地上50cm以上の高さで2年間栽培し、その間に年6回の公的検査を受ける」という既定があり、生産農家には長期の資金回収リスクが生じます。そこでJHBでは買い上げた庭木等を自社の圃場で隔離栽培し、輸出先の検疫制度に応じて適切に管理するシステムを構築。これによって農家はリスクを負うことなく安心して生産に集中することができました。

植木類の輸出で問題となる「検疫」にも対応

「6次産業化」の成果とこれから

事業成長によって生産農家の経営安定化と品質向上に貢献

この事業は検疫対応など先行投資が必要なこともあり、開始後2年間は利益がなかなか出ませんでしたが、3年目から収益性が徐々に改善し、2017年(8月期)には黒字に転換。2018年も増収・増益を達成。受注拡大にともなって調達先も千葉県中心から全国規模に広がりました。さらに、海外の見本市などへの積極的な出展や海外バイヤー向けサイトでの情報発信によって、この5年間で欧州やアジアでのJHBの認知度は着実に高まり、個人愛好家からの問い合わせも大幅に増えました。

A-FIVEも、サブファンドや地銀などのネットワークを活かしても海外展示会や国内の調達先に関する情報や海外展示会の情報を随時提供するなど、さまざまな形でJHBへのサポートを続けています。現在、JHBが新分野として検討しているのが、国内林業との連携による中国への木材輸出事業。寒郡氏の新たなチャレンジが始まろうとしています。

海外の展示会にも積極的に出展

VOICE

ジャパンホートビジネス
株式会社

代表取締役 社長
寒郡 茂樹 氏
出資先の声

経営のアドバイスや販路に関するご紹介など
官民ファンドならではのサポートをしていただいています。

当社のビジネスモデルは、植木や盆栽の生産者と海外の最終消費者が円滑にコミュニケーションをし、より満足できる価格で取り引きされるよう、中間業者を通さないで貿易するものです。そのため、国際交渉や見本市への出展、輸送や検疫のリスク、資金回収など、多岐にわたる問題点がありますが、A-FIVEからの出資を受け、植木や盆栽を輸出するリーディング企業としての認知を広くいただいたことで、公的機関や民間業者を問わず、世界的にも協力していただける体制が構築されつつあります。

私たちのようなライブプランツを国際貿易するビジネスは、資金回収が3年以上かかる場合が多く、単純な資金融資の形態では不適切です。やはりファンドによる資金調達が最も良い方法であり、A-FIVEには感謝しています。また、定期的な会議を開催し、経営のアドバイスや販路に関するご紹介もいただいており、官製ファンドならではのサポートを行っていただいていると感じています。

海外マーケットの開拓手法は、暗中模索であった初期を過ぎ、確実に一歩一歩成長していっていると感じています。ライブプランツなどの輸出入業務をサポートする役務提供業務も経営を支える大きな柱となっています。今後は、これらの業務を徐々に拡大させるべく努力していきます。A-FIVEには、今後もサポートを継続していただきたいと思います。

A-FIVEの声

新しい事業展開においても継続的に支援を続けてまいります。

ジャパンホートビジネス様は、庭木や盆栽の輸出を手掛ける先駆者で、現状は樹木の輸出に留まらず、道具や石など日本庭園に関わる‟和の文化“の輸出にまで拡大している事業者です。海外での展覧会などにも意欲的に参画し、海外で日本の樹木を扱う造園業者間での認知度の向上に努め、海外における和風庭園の愛好家や造園業者を育成、さらに庭木の産地拡大によって地域の発展にも貢献されています。今後、日本の森林再生にも事業展開を志向されておられるため、当社としても継続して支援したいと考えています。

A-FIVE 担当者