A-FIVE

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(株)ワンダーファーム

‟農と食の体験型複合施設”で地域を活性化

出資先のプロフィール

株式会社ワンダーファーム

福島県いわき市の特産品である「トマト」を活用し、農業からの6次産業化を進めるべく2013年に設立された事業体。2016年春にはトマト栽培ハウスや直売所、レストラン、加工工場などを併設した複合型農業テーマパーク「ワンダーファーム」をいわき市四倉町に開設した。同施設による事業展開を通して震災復興と地域の雇用拡大、そして近隣施設との連携による観光振興をめざしている。

「6次産業化」を目指したきっかけ

東日本大震災の復興支援のためにトマトの6次産業化をめざす

2011年3月に発生した東日本大震災と福島原発事故によって、福島県の農業は甚大な被害を受けました。従来からあった高齢化や担い手不足といった問題に加え、大震災とその後の風評被害が追い打ちをかけたことで県内の多くの農家が経営難に陥り、福島を訪れる観光客も激減しました。そうした厳しい状況を打開すべく県の主導でスタートした6次産業化プロジェクトが「ワンダーファーム」でした。

プロジェクトの中核として位置づけられたのは、県東部のいわき地方の特産品である「トマト」でした。年間を通して日照時間が長く、寒暖差が少ないいわき市は、もともとトマト栽培が盛んな地域。A-FIVEの出資を活用して、このトマトを6次産業化していくため、2013年4月に地元の農業生産法人(有)とまとランドいわきを母体として「(株)ワンダーファーム」が設立され、ほぼ同時期にA-FIVEの出資を直接受けるサブファンドとして「ふくしま地域産業6次化復興ファンド(投資事業有限責任組合)」も組成されました。そして1年後の2014年5月、同ファンドにおける第1号案件として(株)ワンダーファームへの出資が決定しました。

トマト栽培が盛んな福島県いわき市

「6次産業化」の実践

農業の多様な魅力を体験できる「トマトのテーマパーク」

出資決定から2年後の2016年春、6次産業化のための複合施設「ワンダーファーム」が、いわき市の四倉町中島地区にグランドオープンしました。「五感を耕す。農と食の体験ファーム」をコンセプトとするこの施設は、さまざまな形で農業の魅力を体験できる、“トマトのテーマパーク”です。

大自然に囲まれた広大な敷地には、トマトを中心に地元の野菜や名産物を販売する直売所(森のマルシェ)をはじめ、地域ブランド品の「サンシャイントマト」を使ったジュースやジャム、ドレッシングなどを生産する加工場(森のあぐり工房)、新鮮なトマトを使った料理や地元の旬の食材を使った料理を楽しめる、ビュッフェ形式のレストラン(森のキッチン)など、さまざまな施設やアクティビティが併設されています。さらに施設に隣接する広大なトマトハウス(敷地面積2.5ha)では、9品種のトマトの収穫体験ができ、食べ比べながら収穫を楽しむことができます。

直売所「森のマルシェ」では農園で採れたトマトや加工商品のほか、地元農家の野菜を販売

加工場「森のあぐり工房」では、トマトジュースやジャム、ドレッシングなどを生産

レストラン「森のキッチン」では、地元食材をふんだんに使用した料理を提供

「6次産業化」の成果とこれから

A-FIVEの多角的な支援を受け集客力・販売力を強化

複合施設「ワンダーファーム」の開設に当たっては、A-FIVEもさまざまなサポートに取り組んできました。事業主である農家は野菜の生産についてはプロでも、ジュースなどへの加工やレストランの運営、商品開発、マーケティングなどに関するノウハウは持っていません。そこで出資決定以降、A-FIVEでは各分野の専門スタッフをアドバイザーとして(株)ワンダーファームに派遣し、複合施設の開設を支援。さらに施設オープン後も加工場の設備・工程の改善から新製品の開発、販売ルートの拡大、SNSを活用した施設全体のブランディングに至るまで、多角的にアドバイスしてきました。

こうした支援の効果もあり複合施設は1年目に約20万人を集客。地元での認知度が高まるとともに、多くの観光ガイドやWebサイトで「福島のおすすめスポット」として紹介される存在となっています。しかし、「ワンダーファーム」の広大な敷地にはまだまだ余裕があり、将来的には宿泊施設や温浴施設も備えた本格的な滞在型リゾートに進化させることが目標です。そのためにも加工事業、レストラン事業、ショップ事業の3本柱を軌道に早期に乗せ、安定的に利益を生む構造を確立する必要があります。「トマトの6次産業化」への挑戦は、まだ始まったばかりです。

大きなトマトのオブジェがある広場には、バーベキュー設備を完備

親子がのんびり遊べる開放感あふれる広大な敷地

VOICE

株式会社 ワンダーファーム
代表取締役

元木 寛 氏
出資先の声

農業・加工・販売の相乗効果を最大化させて
事業拡大を図っていきます。

事業を進めるなかで事業用地確保や資金確保、人材確保など、さまざまな課題がありましたが、A-FIVEからの出資決定は、この課題をクリアするために大きな推進力となりました。また、A-FIVEからのサポートは、資金確保にとどまらず、経営支援や人的支援など、ハンズオンでの支援は大変ありがたいと感じています。

私たちは「農業」が本業であり、そこに一番の強みがあると考えています。そしてワンダーファーム内に整備した施設は、いわゆる‟販売チャネル“だと考えています。農業生産をさらに拡大していくために、それぞれの相乗効果を最大化させて事業拡大を図っていきます。しかし、農業分野はほかの産業と比べてまだまだ経営基盤の整備が遅れています。今後の農業分野の発展に向けて、A-FIVEには引き続き、長期的な目線からのご支援をお願いできればと思います。

A-FIVEの声

長期的視点で事業を評価し、支援をしていくつもりです。

福島県浜通りの農業復興のシンボルとして、地元自治体や農家の皆さん、金融機関、パートナー企業など、多くの関係者の期待を担って進めている事業です。震災から7年経過しましたが、加工品事業、集客事業ともに依然として風評被害の影響を受けています。ですから、そのことを改めて関係者が認識し、長期的視点で事業を評価し、支援をしていくことが必要です。

同社が6次化事業として取り組んでいる3事業はいずれも出資先にとって初めての事業です。そのため多くの課題に直面していますが、それらの課題に対して真摯に取り組み、厳しい外部環境の中、時間は掛かりながらも着実に成果を出し前進しておられます。我々としても、今後の事業成長のお役に立てるよう関わっていきたいと思います。

ふくしま地域産業6次化復興ファンド
無限責任組合員(ファンド運営会社)
福島リカバリ株式会社(あおぞら銀行グループ)
代表取締役

山田 泰秀 氏