A-FIVE

メニューを開閉する

沖縄栽培水産(株)

温暖な気候と冷凍技術を活かし、車海老の通年流通を実現

出資先のプロフィール

沖縄栽培水産 株式会社

福岡を拠点に九州と瀬戸内で車海老の養殖を手がける(株)拓水が、車海老の通年流通をめざして2013年に設立したのが「沖縄栽培水産(株)」。拓水グループが誇る養殖技術と、沖縄・与那国島の温暖な気候を活かし、本州では不可能な「車海老の通年生産」を実現した。さらに、最新技術による冷凍加工と新たな販路拡大によって、高品質な車海老を全国各地に安定供給している。

「A-FIVE」に支援を依頼した経緯

冷凍車海老に勝機を見出し、さらなる市場拡大のために沖縄へ

海老のなかでも、とりわけプリプリした食感と上品な旨味が味わえる高級食材「車海老」は、長年、活きたまま流通されるのが主流でした。しかし、活き海老だけでは需要の集中に対応しきれず、市場が拡大しにくいという側面がありました。この状況を打破するために、車海老業界の最大手である拓水グループは、2006年に業界で初めて急速凍結技術「プロトン凍結」を導入。従来の冷凍では損なわれてしまう鮮度を維持し、どちらが冷凍かわからないというほど、車海老本来の味わいをキープできるようになりました。

これによって、より幅広く市場のニーズに対応できるようになりましたが、本州や九州にある既存の養殖場では冬期の生産ができないため、出荷の時期や量には限界がありました。高品質な車海老をもっと多くの人に届けるには、どうすればいいだろう──拓水グループがたどり着いた答えが、気候が温暖で一年を通して生産できる「沖縄」に養殖場をつくることでした。そして同時期に西日本シティ銀行(NCB)からとA-FIVEとの共同出資による「NCB九州6次化応援ファンド」を紹介されたことをきっかけに、‟車海老の新しい流通形態を構築する“という計画が具体化。2013年に「沖縄栽培水産(株)」を創業し、同年に出資が決定しました。

水揚げされた車海老

「プロトン凍結」は解凍時にも品質を保ち、活き海老と変わらない味わいを維持

経営支援の実践

追加融資をはじめ生産体制や販路拡大についても支援

事業計画に基づいて沖縄県と地元漁業との話を進めた結果、養殖場に空きのあった与那国島の漁協との話がまとまり、地元に誘致される形で沖縄栽培水産の事業がスタートしました。しかし、滑り出しは順調ではなく、ウイルスの流行や台風の被害で、飼育中の車海老が壊滅状態に陥ったこともありました。

そのとき同社にとって命綱となったのが、A-FIVEやNCB九州6次化応援ファンドからのサポートだったと、代表取締役の尾﨑氏は当時を振り返ります。「銀行では難しい追加融資を実施してもらっただけでなく、水産物に詳しいA-FIVEの担当者が現地にきて生産体制に関してアドバイスをしてくれたほか、地域との折衝や各種書類の作成などについてもサブファンド担当者がアドバイスをしてくれました」。さらに、A-FIVEとサブファンドはマーケット情報を提供し、社長自ら商品見本を持って東京にあるレストランチェーン本部を訪ねるなど、積極的に販路開拓に取り組みました。すると、同社が提供する車海老のおいしさが評判を呼ぶようになり、業績も次第に高まっていきました。

水揚げされた車海老は、サイズごとに分けられる

「活き海老」は箱詰めされ、すぐに市場へ運ばれる

冷凍された車海老は真空パックされ、一年を通じて全国各地に届けられる

事業のこれから

車海老養殖を沖縄の新たな産業に成長させる

沖縄栽培水産の冷凍車海老は、「鮮度も、おいしさも活き海老と変わらない」と好評で、味にこだわるレストランのシェフにも多くのファンがいます。ニーズに合わせた量・サイズ・タイミングで納品できるため、特に宴会での引き合いが多く、ホテルやレストランチェーンなど、販路は全国に広がっています。また、ふるさと納税の返礼品にもなっており、与那国島の名産品としても徐々に知名度を上げています。

同社では、この与那国島での取り組みをモデルケースに、沖縄各地に生産拠点を増やしていくことを構想しています。それは事業の成長だけなく、地域の雇用創出や空いた養殖場などの未利用資源の活用にもなると考えるからです。車海老養殖を沖縄の新たな産業にまで大きく育てたい、そして海外へも届けていきたい──そんな同社のチャレンジを、A-FIVEはこれからも応援していきます。

沖縄栽培水産の冷凍車海老は活き海老のようなおいしさが評判

VOICE

沖縄栽培水産株式会社
代表取締役
尾﨑 健一 氏
出資先の声

A-FIVEの心強いパートナーシップのおかげで
私たちは海老と向き合い、立て直しに集中できました。

本州で車海老養殖を展開する私たちが、6次化に向けての第一歩として踏み出したのが沖縄県・与那国島の「沖縄栽培水産」です。当初の2年間は、不慣れな飼育環境や超大型台風、予期せぬウイルスによる全滅被害など、一次産業が抱えるリスクに晒されて大型欠損が出ましたが、A-FIVEは「我々も同じ痛みを共有します」という姿勢を終始一貫して示してくれました。おかげで私たちは海老と向き合い、立て直しに集中するだけでした。無理をすれば必ずひずみが生じるのが一次産業です。まずは安定生産をめざします。そして日本でしか成し得ない品質を早急に確立し、沖縄の地の利を活かした東南アジア展開を進めていきたいです。

サブファンドの声

発生する課題に正面から向き合い、愚直に対応していく
沖縄栽培水産の取り組み姿勢には常に感心させられます。

このプロジェクトは、プロトン冷凍技術による高付加価値な冷凍車海老の新しい流通の創造、周年生産の実現による価格の安定化をめざしたものですが、離島の産業活性化や雇用創出などの大きな役割も担っており、我々サブファンドとしても支援の意義が非常に大きかったです。一次産業は自然との闘いでもあり、発生する課題に正面から向き合い、愚直に対応していくことが成功の秘訣です。その点で、沖縄栽培水産の取り組み姿勢には常に感心させられます。企業のさまざまな課題や問題点は常に発生するものですから、今後も車海老の安定供給実現とさらなる事業拡大に向けて全力でサポートしていきます。

株式会社NCBリサーチ&コンサルティング