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(株)ザファーム

都心で暮らす人々の体験型農園リゾート

出資先のプロフィール

株式会社 ザファーム

(株)ザファームは、千葉県香取市にある体験型農園リゾート施設。もともとは、同市を本拠地として先進的な農業の6次産業化に取り組む和郷グループの一事業部として2010年に発足し、2016年に株式会社化した。現在、9ヘクタールもの広大な敷地の中に、宿泊施設としてグランピングとコテージ全36棟を備え、そのほか貸農園、カフェ、バーベキュー場、天然温泉、ジップスライダーなどの施設を有し、手軽にアウトドアアクティヴィティを楽しみながら地元の新鮮野菜を堪能できる農園リゾートとして年間15万人を集客する人気施設となっている。

事業部門を切り出し、「6次産業化」事業体設立

黒字化を目指しプロフィットセンターとしての宿泊施設の拡充

「ザファーム」は、先進的な農業の6次産業化を展開する和郷園グループのBtoC事業部門として2010年に発足しました。2013年までに第一期開発として、既存施設を買収した温浴施設「かりんの湯」を始め、365日いつでも3種類以上の野菜が収穫できる「会員制貸農園」と、その農園を見渡せる「コテージ」、地元産の野菜や果実をつかったメニューが揃う「ザファームカフェ」を整備しましたが、施設全体にかかる管理費用が大きく事業部門としては赤字の状況が続いていました。

2014年より運営を任された現代表取締役の武田泰明氏は、「ザファーム」のプロフィットセンターとなるのは宿泊施設であり、その数を増やして稼働率を上げることで、当該事業を黒字化できると確信していました。「農ある暮らしをすべての人に」をコンセプトとして掲げ、収穫体験やカフェなど単体事業ではなく、農業の風景がある中での「暮らし」そのものを提供する仕組みの構築を目指します。ちょうど欧米での人気が日本に伝わり始めていた「グランピング」(グラマラスとキャンピングを掛け合わせた造語で、テント設営や食事の準備などの必要がない気軽なアウトドア体験)に注目し、この宿泊形態を採用して、隣接するかつて谷間の田んぼだった土地に新たなキャンプサイトを開発する決断をしました。

同時に、近畿日本ツーリスト(株)に協力を仰ぎ、宿泊者が滞在期間を通じて夢中になれる仕掛けをソフト、ハードの両面から改めて検討。新たなアクティヴィティとして「ジップスライダー」の設備を増設する計画を立てました。

これらを(株)ザファームの第二期開発と位置づけ、その実現のため、1次事業者である(株)和郷と近畿日本ツーリスト(株)を擁するKNT-CTホールディング(株)をパートナー企業とし、A-FIVEと千葉県下の金融機関が組成するサブファンド「ちば農林漁業6次産業化ファンド」の出資を受けることで(株)ザファームが誕生しました。

採れたて野菜を使った料理が人気の「ザファームカフェ」

美しい緑の芝生が整備された敷地内

土地の高低差を活かして設置されたグランピング設備

天然温泉「かりんの湯」があることもザファームの強み

「6次産業化」事業の黒字化

宿泊者の声がSNSで広がり大人気に。2年弱で黒字化に成功

スムーズな出資を受け短期間で完成までこぎつけたグランピング施設は、宿泊者の声がSNSで広がり予想以上の人気を博します。更にジップスライダーを始めとする顧客滞在時間の延伸を意識した仕掛けも功を奏し、(株)ザファームの収益は、その後わずか2年弱で好転し、大幅な黒字化を実現しました。

短期間でこれだけ大きな成功を実現した要因として挙げられるのは、武田社長による徹底した顧客満足度へのこだわりだといえます。グランピングの各設備は、開発当初にスタッフの手でプロトタイプ一棟を製作して稼働させ、快適さを実感できるクオリティにまで高めたうえで提供。キャンプサイト全体の構成にも気を配り、空間的にも時間的にも単調にならない空間の創出に成功しています。ほか、新鮮なバーベキューの食材一式を手間がかからない状態で提供したり、管理棟に女性向けの広々としたパウダールームを用意したりと、自然の中での暮らしを、気軽に、かつ上質な時間として体験してもらうための徹底した工夫が、都市部に住む人たちの心を見事につかんでSNSなどで話題となり、現在では、3ヵ月先まで予約が埋まる大人気の施設となっています。

グランピング設備の中には、テーブル、ベッドなどが揃う

管理棟の女性用トイレには、広々としたパウダールームも

貸農園は常時3種類以上の野菜が収穫できるように管理

敷地内を案内してくれた本部運営部長の高橋さん

「6次産業化」事業のこれから

地域の協力を得ながら、さらなる規模拡大を目指す

サブファンド出資による第2期開発の成功によって、収益を上げる事業構造と高いブランド力を確立させた今、武田社長の頭の中では、すでに第3期、第4期開発への構想が具体化しています。「ある意味で、日本発の世界に通用する新しい業態を作れたのではないかと思っています」と語る武田社長。国内外からフランチャイズを求める声も舞い込み、その可能性を慎重に探りながらも、現在の(株)ザファームをおろそかにして他所に進出するつもりはないと断言します。「私は、この場所が大好きなんです。地域の人の協力を得ながら規模を拡大して、この場所を最高な状態に保ち、地域の野菜生産量拡大に貢献していくことが第一です」(武田社長)。

青い空に畑の緑が映える。ザファームを象徴する景色

コテージも充実。最新の「コテージグランデ」は2階建仕様

VOICE

株式会社 ザファーム
代表取締役
武田 泰明 氏
出資先の声

新規事業スタート時に、これほど便利な仕組みはない

事業部門としては赤字が続く中、3億円以上の資金調達を行い、事業の規模拡大を実行するにはなんとしてもリスクマネーの調達が必要であると考え、ファンドを利用しました。地元の千葉銀行が間に入り「ちば農林漁業6次産業化ファンド」に出資いただきましたが、期待どおりの迅速な意思決定と資金調達をしていただき、かつ、農水省系官民ファンドが出資したという信用力により、千葉銀行からも同時に2億円を超える長期融資も受けることができ、結果、非常にスピーディーに事業拡大を進めることができました。その後はお陰さまで2年弱で黒字化し、信用力も増してきましたので予定より早い時期ではありましたが買い戻しをさせてもらいました。

私は、銀座に「グランイート銀座」というGAP認証取得野菜をメインに提供するビュッフェダイニングを始める際にも、再びA-FIVEの仕組みを使わせてもらっています。事業を始めるのにこれほど便利な仕組みはないと思っています。事業スタート時の最初のリスクマネーを一定程度国が出資する機関が提供するこの仕組みをうまく利用して、たくさんの6次産業化の挑戦が実を結ぶことに期待しています。